最近、食に興味を持つ人が増えています。
テレビで「○○にはヨーグルトが効く!」と放送されたら翌日には、どのスーパーもヨーグルトが売切れ続出だったり、「○○産の食べ物は安全性が高い!」と言われると、それ以外の産地のものは、全く売れなかったり・・・と。
いろんな情報を敏感にキャッチして、すぐに行動に移す。
特に子供をもったお母さん、家庭の食卓を預かる女性なら、なおさらですよね。
私自身も、母子共にひどいアレルギー体質だったので、「食」にはとてもこだわっていました。
玄米菜食・除去食・断食療法などなど、ありとあらゆる事を試したこともあります。
あるときは、無農薬といわれるものしか食べない生活をしたり、肉・魚など一切の動物性タンパクを摂取しない時期もあり・・・このことだけで本が一冊書けるほど、熱中しました(笑)
そんな時に「食育」の勉強会に参加する機会があり、目からうろこが落ちるほど衝撃を受ける話を聞きました。
名づけて「インスタントラーメン事例」。
それは、ある小学生の男の子の話。
家庭内で暴力をふるう子供に悩み、ご両親が相談に来たそうです。
家庭環境について聞き出していくと、ご両親ともに多忙なので、夕食は、子供1人で。
しかも平日は、ほとんど毎日、インスタントラーメンを食べているとのこと。
そこで、その方はアドバイスをしたそうです。
「インスタントラーメンをお子さんと一緒に食べてあげて下さい」と。
その時点で、私の頭の中は?マークでいっぱいになりました。
「インスタントラーメンを一緒に食べる???夕食はせめて、ごはんと、オカズをそろえて食べさせてあげるべきでは?」と。
しかし、そのアドバイスを受け入れたお母さんは、毎日、一緒に買い物に行き、子供とラーメンを選び、一緒に食べる。
その間には「このラーメンは、スープがおいしい。」とか、「これは麺がイマイチ」などと、他愛もない会話が生まれたそうです。
そんな繰り返しの中で、男の子の突発的な暴力は落ち着いてきたそうです。
栄養学的にいうと、決して合格点の夕食ではないかもしれません。
しかし、この事例を通して、食べるという行動が体に及ぼす影響だけではなく心に及ぼす力も大きいということが分かります。
食生活に問題解決の糸口を見出すカウンセラーや、臨床心理士などが、増えている理由もここにあるのかもしれません。
「食はココロとつながっている」
栄養価の高いもの、より安全性の高いものを選ぶに越したことはないですが、そのことにこだわりすぎて、食べることができることへの感謝の気持ちや、食べることを楽しむ心の余裕が無くなったのでは、本末転倒ですね。
たしかに私自身、食に極端にこだわっていた時期は、子供たちが口にするものがいちいち気になり、まるで、食べるものを「監視していた」ような状況だったかも。
しかし、インスタントラーメン事例を聞いてから、心境の変化が起きて、心のゆとりが出来てからは、子供たちものびのびと食べることを楽しめるようになったと思います。
「何を食べるか」も大切ですが、「誰とどんな気持ちで食べるか」ということも、とても大切なんですね。
溢れる情報に振り回されるのではなく、本当の意味で豊かな食生活を送っていきたいと感じる今日この頃です。
お米で元気。梶谷米穀店
http://www.kajikome.com/